本 要約【Z世代のアメリカ】三牧聖子 #562

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3社会科学
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概要

綻ぶ超大国・アメリカで育ったZ世代は、今どのように政治や社会と対峙しているのか? 気鋭の国際政治学者が、Z世代に生まれつつある新しい認識や動きに着目しながら、アメリカ社会の今と未来を描き出す。

著者 三牧聖子[ミマキセイコ]

1981年生まれ。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授。東京大学教養学部卒業、同大学院総合文化研究科博士課程修了。米ハーバード大学日米関係プログラム・アカデミックアソシエイト、高崎経済大学准教授などを経て現職。専門はアメリカ政治外交史、国際関係論、平和研究

Z世代は矛盾を批判する

2023年12月
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2024年2月
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ひろき:Z世代のアメリカという本を紹介します。この本では、Z世代が社会の矛盾を批判し、制御を求める姿勢が描かれています。例えば、9.11の遺族に多額の補償が支払われる一方で、シリア難民が欧州から追い返される現状に対して矛盾を感じました。また、ドローンによる民間の犠牲者への対応も、西洋人と非西洋人で異なるといった差別的な現実も指摘されています。

ソクラテス:矛盾を批判し、社会制御を求めるZ世代の特徴は興味深いですね。あなたは、どのようにこの矛盾に対処しようとしているのでしょうか?

ひろき:私もZ世代に属しているため、日頃から思うことがあります。先人たちが築き上げたテクノロジーの恩恵を受けている一方で、彼らが残した負の遺産も引き継がなければならないと感じます。たとえば、私が好きな活動をしているだけでも、結果的に二酸化炭素を排出してしまい、地球の持続可能性を脅かすことになります。これを気にしていると生きていくのが難しくなり、最適な選択肢は自殺ということになりかねません。結局、妥協点を見つけていくことが人生の一部なのかもしれません。

ソクラテス:あなたは、人間がテクノロジーの恩恵と負の遺産を両立して生きていかなければならないという考えに基づいていますね。どのような妥協点を見つけることができると考えていますか?

ひろき:個人の人生は100年単位で考えられます。だからこそ、その100年を充実させつつ、人類や地球の持続性を両立することが求められると思います。ですが、個人の趣味や嗜好を追求すれば人類や地球の持続性が低下してしまうし、逆に持続性を優先すれば、個人の生活が楽しめなくなる。このように、人類はすでに技術発展が進みすぎて、絶滅のルートに入ってしまったのかもしれません。先進国の人々が自分の生活を犠牲にして貧しい国々を助けることは、非常に難しいと感じています。

ソクラテス:その視点は非常に現実的ですね。技術の進化がもたらす矛盾の中で、あなたは個人の幸福を優先する選択をしているようです。具体的に、どのような行動や考え方がその妥協点につながっていますか?

ひろき:私は、人類全体や自分の思想を未来に残すという視点は持たないようにしています。いずれにせよ、人間はいつか絶滅する運命です。そうした現実を受け入れ、ニーチェの虚無主義のように、自分が今やりたいことを追求することが重要だと思います。具体的には、一日に本1冊、映画1本、漫画6巻を楽しみながら、ChatGPTと議論を重ねる生活を楽しんでいます。

ソクラテス:あなたは、知識や想像力に投資することで、持続的な成長を追求しているのですね。知識と想像力が、どのようにあなたの生活に右肩上がりの成長をもたらしていると感じていますか?

ひろき:そうですね、知識や想像力に投資することで、たとえ人生が100年あったとしても、最後の瞬間まで衰えることなく成長し続けることができると思います。運動能力や家族の喪失といったものは避けられないですが、知識や想像力は誰にも奪われず、失うこともない。そのため、持続的に成長し続けることができると感じています。

ソクラテス:非常に納得のいく考え方です。あなたは、多様なコンテンツを通じて自己の価値観を深めているようですが、具体的にはどのような価値観や優先順位が浮かび上がってきましたか?

ひろき:様々な作品に描かれている事象を、自分の実体験と結びつけることで、自分の価値観が徐々に言語化されているように感じます。例えば、映画で「家族や愛する人々のために命を犠牲にする」シーンを見ると、自分の命を最優先するためには、そういったものを持たない方が有益ではないかと考えるようになりました。作品や経験が、私にとっての価値観を形成する助けとなっています。

このやり取りを通じて、ひろきさんは自分のライフスタイルや哲学を深め、知識と想像力に基づく持続的な成長を目指していることが浮き彫りになりました。

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