本 要約【生物学を進化させた男 エドワード・O・ウィルソン】リチャード・ローズ #1355

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Q1: なぜ血縁度75%が利他性を高めるの?

血縁度が75%だと、利他的な行動をとるインセンティブが高まるからです。理由は、進化生物学では自分の遺伝子を残す確率を最大化する行動が選ばれやすいとされていて、通常の血縁度50%では「自分を犠牲にしても2人助けないと割に合わない」という計算になります。でも血縁度が75%になると、その基準が1.3人くらいでよくなるため、より利他的な行動が合理的になるんです。たとえば、ハチやアリのメスはこの高い血縁度によって、自分が子どもを産むよりも女王の子ども(姉妹)を育てたほうが遺伝的利益が大きくなるので、結果的に社会性が進化しやすくなる構造になっています。

Q2: 利他行動が選ばれる条件とは?

利他的な行動が選ばれるには、その行動によって助かる仲間の数とその血縁度の掛け算が、自分の命の価値を上回ることが必要です。これはハミルトンの法則という有名な理論に基づいています。血縁度75%のハチやアリの社会では、この条件が満たされやすく、自己犠牲的な行動も自然に広まっていきます。たとえば、働きバチが自ら子どもを産まずに女王バチを守り続けるのも、そうすることで間接的に自分の遺伝子をより多く残せるからです。つまり、利他性は感情や道徳の問題ではなく、純粋な合理性に基づいた進化の戦略なんです。

Q3: 集団内の利己性と集団間の利他性の違いは?

集団内では利己的な個体が選ばれやすいけれど、集団間の競争では利他的な構造を持つ集団が勝ちやすいという違いがあります。これはエドワード・ウィルソンが指摘したように、進化は個体だけでなく集団のレベルでも働くことがあるからです。たとえば、単独性のカリバチから進化したハチやアリは、集団としての協力性が高いことで他の集団に対して優位に立てたのだと思います。だからこそ、利他的な個体が多くいる集団は、戦争や環境変化などの外的要因に対しても柔軟に対応し、生き残る確率が高まるというわけです。

Q4: 利他的な集団が抱えるリスクは?

利他的な集団は一見強く見えますが、裏切り者や利己的な個体が内部から出てくるとバランスが崩れてしまうリスクがあります。そのため、利他的な構造を維持するためには、内部の秩序や規範の強化が欠かせません。たとえば、シロアリやアリの社会では、役割分担が厳格に決まっていて、裏切り行動には集団全体で抑止する仕組みがあります。同じように、人間社会でも税制度や法制度、教育といった形で利己性を制御しながら、利他的な構造を守る努力が必要なのです。だから、利他性は放っておいて維持されるものではなく、常に外敵と内部のバランスの中で揺れ動いているんです。

Q5: 人間社会にも進化的な構造はある?

人間社会も、進化的な構造を制度設計の中に取り込んできたと思います。特に分配の仕組みや社会福祉制度には、利他的な集団構造の考え方が色濃く反映されています。たとえば、ロールズが提唱した「無知のベール」の考え方は、自分がどんな立場に生まれても納得できる社会を設計するという発想で、これはまさに「利他性」を制度化したものです。現代の福祉国家や再分配制度も、ただの善意ではなく、全体として社会の持続可能性を高める戦略なんです。だから、人間は感情だけでなく、進化的合理性を制度に落とし込んできた生き物だと思います。

Q6: 利他的制度が崩れるのはどんな時?

利他的な制度が機能しなくなるのは、人々が「このまま努力しても報われない」と感じるときです。アメリカのポピュリズム化やトランプ再選のように、「自分たちだけが損している」という実感が広がると、再分配への支持が一気に冷めます。発展途上国の支援や移民政策に反発するのも、結局は「自分たちの生活が危ういのに、なぜ他人を助けるのか」という直感からきていると思います。つまり、利他的な集団構造は、全員が「この社会は自分にとっても意味がある」と感じられることが前提で、そこが崩れると一気に利己的な社会へと傾いてしまうんです。

Q7: 社会の信頼が崩れる原因は?

社会への信頼が崩れる原因は、上昇の物語が信じられなくなった時です。私は、今の若者が「努力すれば報われる」という感覚を持てなくなっているのが大きいと思います。さらに、SNSの発展で成功者の華やかな生活が日常的に可視化されたことで、相対的な不満が強まっています。たとえば、自分が一生懸命働いても家も買えず、貯金もできないのに、インフルエンサーが贅沢な生活を投稿しているのを見ると、「なんであっちは良くて自分はだめなんだ」と感じてしまう。こうした感情が積み重なることで、信頼や連帯が壊れていくんです。

Q8: 情報の透明性と信頼は両立できる?

透明性と信頼は両立可能だと思います。問題は、情報の量ではなく、それをどう扱うかです。私は、SNSを見る見ないは自己判断でコントロールできると思っていて、見たくないものは見なければいい。ただし、成功者や権力者に対しては、説明責任を果たす仕組みが必要です。つまり、「何を持っていて、どうやって得たか」を明らかにするルールがあれば、大衆側の納得感も高まり、嫉妬や不信感が減ると思います。だから、情報の透明性は減らすのではなく、制度的に整理して正しい文脈で理解されるようにするべきなんです。

Q9: 成功者の説明責任はどう制度化すべき?

私は、成功者が透明性を持ち、説明責任を果たす仕組みとして「逆パノプティコン」的な構造が必要だと思っています。つまり、大衆が一方的に監視されるのではなく、むしろ権力者や成功者が社会に対して常に説明する側になるような仕組みです。たとえば、政治家の資産公開や、企業経営者の報酬開示などは、その一例です。この構造があれば、権力と情報の集中を健全に制御し、大衆の信頼も得られると思います。だからこそ、単なる情報公開だけでなく、それを誰がどう監視し、どう活用するかまで含めた設計が重要です。

Q10: 大衆が権力を監視するには何が必要?

大衆が権力を監視するためには、技術インフラと教育、そして法的な仕組みが必要です。私は、まず市民が正しい情報リテラシーを持つことが前提だと思います。加えて、情報公開制度や行政監視機関などが市民にとって使いやすく設計されていなければ意味がありません。たとえば、記者会見のライブ配信や、国会答弁のリアルタイム公開、政治資金の使途開示などをITで簡単に見られるようにすることです。さらに、市民が発言しやすい環境や、通報制度の整備も重要です。つまり、監視の仕組みは技術だけでなく、「誰でも声を上げられる」構造とセットで機能するものだと思います。

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