本要約【ポイント経済圏20年戦争 100兆円ビジネスを巡る五大陣営の死闘】名古屋和希 #1097

経済は人で動いている

Tポイントは2003年に誕生し、1業種1社ルールとファミマの提携で1強だったが
楽天はECや金融の経済圏に欠かせない機能で崩し、ドコモのdと三菱のPonta、SoftbankのPayPayを加えた五大経済圏を経て、三井住友のVポイントと楽天の2強時代になっているhttps://t.co/H23BEH07gx
— ひろき@AIと思考実験してみた (@bluesbookblog) April 17, 2025

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Q1: 「経済は人で動いている」とはどういう意味だと思いますか？

Tポイントの話から始まって、楽天、ドコモ、Ponta、PayPayなどの五大経済圏、そして現在のVポイントと楽天の2強時代までの流れを見て感じたのは、結局その流れを作っているのは「人の意思決定」だということです。例えば、Tポイントが最初に1業種1社ルールで独占的な立場を築いたのも、ファミマと組んだから。そしてそれを崩したのは楽天のようにECや金融と組み合わせて、広い機能を提供したから。つまり、どの会社と組むか、どんなサービスをどう広げるかって、全部その時々の経営者の判断によって決まってるなと思ったんです。

Q2: 経営者の性格や価値観は、どう経済圏の広がりに影響すると思いますか？

経営者って、ざっくり分けると「やりたいことをやりたい」タイプと「とにかく稼ぎたい」タイプの2つに分かれると思ってます。前者は起業家っぽい人で、ゼロからイチを生み出すのが得意。後者は事業家で、イチを広げて10にするのが上手い。楽天の三木谷さんって、その両方の要素を持ってる気がするけど、どっちかというと事業家寄り。だから、楽天モバイルや楽天カード、球団運営まで、めちゃくちゃ手広くやってる。これは、「自分の考えを社会に広めたい」って思いが強いからじゃないかな。

Q3: もし三木谷さんが「起業家気質だけ」だったら、楽天はどうなってたと思う？

もし起業家気質だけだったら、楽天ってECだけの会社で終わってたかもしれないなって思います。今みたいに楽天モバイルとか球団運営とか、いろんな分野に手を出すことはなかったんじゃないかな。起業家って「これがやりたい！」って気持ちが強いから、興味ないことには手を出さない。逆に事業家は、「どうやったら広げられるか」って発想だから、より多くの分野に展開する。楽天がここまで大きくなったのは、三木谷さんが起業家だけじゃなくて、事業家としての視点も持ってたからだと思います。

Q4: 「広く浅く」アプローチすることで、なぜ経済圏は強くなると思いますか？

それは「シナジー効果」があるからだと思います。例えば、ポイントって1社だけで貯めても、活用できる場が少なかったら魅力が半減する。でも楽天みたいにEC、金融、通信、スポーツまで全部揃ってたら、生活のどこでも使えるから便利。その分、他の企業と比べて圧倒的に強くなる。生活圏に入り込んでるから、データもたまるし、消費者の行動を把握してサービスを改善したりもできる。それが「選ばれ続ける理由」になると思います。

Q5: じゃあ、どんなデータや接点が特に重要だと思いますか？

顧客の行動データだと思います。例えば家電量販店の話で、リコールが起きた時に「誰が、いつ、何を買ったか」って情報があると、すぐ対応できる。それって信頼にもつながる。さらに、そのデータを元に「この人はこういう商品に興味があるかも」ってターゲティング広告もできる。ネガティブな出来事にも対応できるし、ポジティブな展開にも使える。この両方に使えるってのが、すごく大きな価値なんだと思います。

Q6: でも、そのデータを持つことってリスクもあるよね？

もちろんあります。一番大きいのは、個人情報の流出リスク。サイバー攻撃って、防御側が99回成功しても、1回ミスったら終わりなんです。逆に攻撃する側は1回成功すればいい。これはめちゃくちゃ非対称で、企業にとってはものすごいプレッシャー。だからこそ、情報管理ってめちゃくちゃ慎重にやらないといけない。信頼って一度失うと、取り戻すのすごく大変だから。

Q7: その信頼を守るために、企業は何を「見える形」でやるべきだと思う？

やっぱり透明性が大事だと思います。何かあった時に正直に情報を出すこと。個人的に、人間関係でも「一度も揉めたことがない」って逆に怖いと思ってて、それって本音を言い合ってない証拠なんじゃないかなって。企業も同じで、「不祥事が一度もない」っていうより、「不祥事が起きた時にどう対応したか」の方が信頼を生むと思う。不祥事を隠すんじゃなくて、正直に話して、どう対策するかを伝えることが一番の信頼の証なんじゃないかな。

Q8: 透明性のある企業姿勢って、消費者にどんな変化をもたらすと思う？

消費者が安心してその企業の商品を使えるようになると思います。「何かあってもちゃんと対応してくれる」って信頼があるから、ちょっとした不具合があっても許容できるようになる。それに、企業のファンになる人も増えると思います。商品じゃなくて、「その企業の姿勢に共感する」っていう人たち。Appleとかスターバックスとかも、商品だけじゃなくて、そのブランドの哲学に惹かれてる人が多いじゃないですか。そういう人たちに選ばれ続けるには、やっぱり透明性と一貫性が大事だと思います。

Q9: では、これからの経済圏の勝者になる企業って、どんな条件が必要だと思う？

広く浅くでも、ちゃんと「生活に溶け込んでいること」が条件だと思います。楽天みたいに買い物、通信、金融、娯楽まで全部揃ってると、それぞれの分野の中で特別に強くなくても、総合力で選ばれる。しかも、その全部のデータがつながってシナジーが出る。逆に、どれか1つに偏りすぎると、そこで何か問題が起きた時に一気に崩れる可能性もある。だから、強みを分散させつつ、全体で連動することが大事なのかなって思います。

Q10: 最後に、あなた自身がこの本を通じて得た一番大きな気づきは何ですか？

「経済は仕組みじゃなくて、人で動いてる」ってことです。経営者が誰だったか、その人が何を考えてたかで、企業の運命も変わるし、経済圏の流れも変わる。本のタイトルにある「古代陣営の指導」って言葉も、今のポイント戦争に通じる気がしてて、まるで戦国時代のように、陣営が組まれ、提携があり、同盟があり、裏切りもある。歴史に「もし」はないけど、「もしこの時、違う経営者だったら」って考えると、今の姿はまったく違ったかもしれない。それがすごく面白くて、経済ってもっと人間くさくて、ドラマチックなものなんだなと感じました。