本 要約【精神科医の本音】益田裕介 #1039

4自然科学
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概要

精神科・心療内科に通うことは、もはや珍しくない時代になった一方で、何かと批判を受ける「精神科医療」。その根源には、「こころの病」を治療するというわかりにくさがある。「なぜ診断が変わるのか」「なぜ診察が短いのか」「薬やカウンセリングに効果はあるのか」…現役精神科医が、建前抜きの本音で、精神科医療の現実を伝える。

著者

益田裕介
早稲田メンタルクリニック院長。精神保健指定医、精神科専門医・指導医。防衛医科大学卒業。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊仙台病院(復職センター兼務)、埼玉県立精神医療センター、薫風会山田病院などを経て、早稲田メンタルクリニックを開業。一般向けに、わかりやすく、精神科診療について解説するYouTubeチャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」を運営し、登録者数は30万人を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

心の病も臓器の不調である

病人は増え続ける

AIと思考実験してみた

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Q1: 『精神科医の本音』を読んで、心の病についてどんな気づきがありましたか?


「心の病も、脳という“臓器”の不調だ」という考え方にすごく納得しました。脳も心臓や肝臓みたいに、先天的に弱いこともあるし、遺伝やストレス、不運の重なりで病気になることもある。精神疾患は見えにくいからこそ厄介で、周りも本人も気づきにくいんですよね。血糖値や骨折みたいに客観的な指標がない分、早期発見や予防が難しい。だからこそ、精神疾患を「気持ちの問題」として放置するのではなく、「臓器の不調」として医学的に理解するのが大切だと感じました。

Q2: 心の病を防ぐために、どんな工夫が有効だと思いますか?


心の状態を毎日点数化して記録するのが効果的だと思います。気分を5段階で評価して、前日と比べてどう変化してるかを見るだけでも、客観的に自分の状態がわかります。佐藤和明さんの事例のように、自分に余裕がある時こそ心のサインを見逃しやすいというのもポイントで、そういう時にこそ慎重に観察する必要があります。私自身もそういった記録を通じて、今ここに集中する時間や自己観察の力を養っていきたいと思いました。

Q3: 点数が下がっているとき、自分をどうケアしたらいいですか?


「コーピングリスト」がすごく役立ちます。これは、自分がストレスを感じたときにどんな行動をすれば楽になるかを、あらかじめリスト化しておく方法です。私も深呼吸や目を閉じるなど、数秒でできることから、瞑想やシャワーなど5分くらいでできることまで幅広く準備しています。日々のルーティンに組み込むことで、精神的に不調になる前にケアできる。朝はしっかり寝て、夜はお風呂に入りながら日記を書く、こうした自己ケアの習慣が予防につながっていると感じています。

Q4: そういった習慣を継続するためのコツはありますか?


まずは「小さく始める」ことが大事です。最初から完璧を目指さず、5分だけ、1回だけ、といった小さな目標からスタートすることで、続けやすくなります。例えば筋トレなら、懸垂を1回だけでもOKとする。その際に「いつ・どこでやるか」を決めておけば、毎回考えずに済むので楽になります。そして大事なのが「2日連続サボらないこと」。1日休むのはOKだけど、2日続けてしまうと習慣が崩れやすいので、そこを意識しています。

Q5: 頑張りすぎてしまいそうな時には、どう対処すればいいですか?


「下限の目標」と「上限の目標」の両方を持つのがポイントです。下限の目標は、ルーティンを崩さない最低限のライン。上限の目標は、やりすぎて体や心を壊さないためのブレーキ。例えば、懸垂を毎日10回やるけど、疲れてたら1回でOK。それ以上やってもいいけど、無理はしない。こうやって自分に優しくも厳しくもできる設定にしておくことで、ストレスなく続けられるし、完璧主義に陥るのも防げます。

Q6: こうした工夫は、他の分野にも応用できますか?


どんな分野にも使えると思います。営業とか勉強とか、毎日積み上げる系のこと全部です。特に「下限だけでもこなす」っていうのは、ノルマがプレッシャーになる人には助けになる考え方。目標を柔軟にすることで、「やらなきゃいけない」が「ちょっとならできる」に変わる。そしてその「ちょっと」が積み重なれば、最終的に大きな成果になる。だからこそ、この方法は万人にフィットしやすいんじゃないかと思います。

Q7: 『精神科医の本音』では、心の病が今後もっと増えるとありましたが、どう思いましたか?


その通りだと思います。社会がどんどん複雑になっていて、離婚も増えて、行政も機械的で、人と関わる機会が減っている。EQ(感情知能)を育てる場がなくなってるんですよね。それにAIによって個人の生産性が上がると、それに合わせて社会全体の期待も高くなる。そうなると、ついていけない人がどんどん増えて、精神的に追い詰められる。だから、病人は今後も増えるっていうのは、避けられない流れだと思います。

Q8: EQを育てるには、どんな環境が必要だと思いますか?


人と自然に関われる場が大事です。特に、趣味を通じて話せる場所。自分の“好き”を語り合える場では、人とのつながりを感じやすく、感情も動きやすい。オンラインの趣味コミュニティとかサロンは、そういう場所のひとつになり得ます。自分が人間として受け入れられてるって感覚が、EQを育てる土台になると思うんです。だから、もっと気軽に参加できる場があればいいなと思っています。

Q9: そういう「好きでつながる場」を広げるには、何が必要ですか?


国が後押しする仕組みが必要だと思います。例えば、月1000円のチケットでオンラインサロンに参加できる制度を作るとか。部活が義務のように、何かしらのサロンに所属することで、社会的なつながりを日常に取り入れる仕組みがあるといい。仕事以外の場で人と関わることは、EQを守る上でも重要。そういう場を義務化することで、孤立や精神的な不調を防げる社会になるんじゃないかと思います。

Q10: 最後に、こうしたテーマを考える上で意識していることはありますか?


全部「自分をどう観察するか」だと思っています。心の状態って、すぐに乱れやすいし、気づかないうちに崩れていく。だからこそ、日々の記録とか、コーピングリストとか、小さなルールが大事なんです。それらはすべて、自分の調子を見える化して、自分とちゃんと向き合うためのツール。忙しい時代だからこそ、そうした内面との対話が一番の土台になると思います。

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