アニメ考察【東京オーバーライド/Tokyo Override Netflix】#1

直感を大切にする

100年後の東京、都市を監視して最適化する千里眼システムが導入され、逸脱する者を排除していた
孤独なハッカーは秘密裏に活動するデリバリー集団と出会い、人間はないものねだりであり、人との繋がりまで最適化できないと知った
目的地を決めずに風と共に旅へ出た#TokyoOverride
— Hiroki@AIと思考実験してみた (@bluesbookblog2) March 23, 2025

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Q1: アニメ「東京オーバーライド」はどんな世界観でしたか？

100年後の東京では「千里眼システム」というAIによって都市全体が監視され、すべてが最適化されていました。逸脱するものは排除され、人々の行動も管理されていたんです。そんな中で登場するのが孤独なハッカー。彼は秘密裏に動くデリバリー集団と出会って、「人とのつながり」や「偶然の出会い」が、AIによる最適化の外にあることに気づいていきます。最後には、目的地を決めずに風と共に旅に出るという選択をし、直感を大切に生きようとする姿が描かれていました。

Q2: 「人とのつながりは最適化できない」と気づいたきっかけは何だったと思いますか？

最初は都市の渋滞や政治など、権力者がAIを活用して効率化していく様子を見て、自分もそうしたシステムの一部としてハッキングしていたんですが、あるとき気づくんです。アナログで活動するデリバリー集団や、偶然の出会いのようなものは、どれだけシステムが進化してもコントロールできない。それこそが人間らしさであり、本質なんだと。

Q3: なぜ偶然やアナログな関係は最適化できないのでしょう？

人間の行動には、理屈では説明できない衝動や欲求があるからです。AIはデータやパターンから最適な答えを出すことはできても、「なぜかこうしたい」という直感的な気持ちまでは読めない。人間は計画通りにだけは生きられないし、それこそが人間らしいんだと思います。

Q4: では、衝動や欲求は社会にどんな価値をもたらすと思いますか？

新しい科学技術や社会の変化って、突き詰めれば人間の衝動や欲求から生まれてると思うんです。誰かが「こうなったらいいな」と思ったり、「こんなことができたら面白い」と思ったことから技術が生まれ、それが社会に広がっていく。最初はマイノリティのアイデアかもしれないけど、経済や市場とつながって、やがてマジョリティになっていく。衝動って、未来をつくる原動力なんですよ。

Q5: 逆に、衝動や欲求が社会に悪影響を与えるのはどんなときですか？

自分の衝動ばかりを優先して、社会全体の和やバランスを壊してしまうときだと思います。部分最適ばかりを追い求めると、全体最適が損なわれる。たとえば電動キックボードみたいに、一人にとって便利な移動手段でも、都市全体のインフラから見れば混乱を招く場合もある。だから社会では、個人と全体のバランスがとても大事なんです。

Q6: 部分最適と全体最適がぶつかったとき、どちらを優先すべきですか？

全体最適を優先すべきだと思います。日本の憲法にも「すべて国民に健康で文化的な最低限度の生活を保証する」ってありますし、多くの人の幸福を目指すのが民主主義の基本だと思います。SDGsやESG投資もそうですよね。未来の世代まで考えて、今だけじゃなく長期的な視点での最適化が必要。自分の欲求が社会に害を与えるなら、それは我慢しなきゃいけないと思います。

Q7: でも、全体最適を追いすぎると個人の自由がなくなるんじゃないですか？

それが「東京オーバーライド」で描かれていた世界なんですよ。全体最適を極めた結果、都市は管理され、個人の自由がどんどん制限されていく。だからこそ、「自由のライン」をどこに引くかを事前に話し合っておくことがすごく大切だと思います。僕としては、衣食住などの基本的な生活が保障されることを“0地点”として、そこを守る自由がある社会が理想だと思います。

Q8: その“自由のライン”は誰が決めるべきなんでしょう？

民主主義の仕組みの中で、国民が話し合って決めるべきだと思います。日本では生活保護の制度などがその基準の一つになっているし、それは憲法に基づいたもの。テクノロジーが進んでも、こういう価値観は変えてはいけないと思います。制度を支えるルールがあってこそ、安心して自由を語れる社会になるんじゃないかな。

Q9: もしAIの判断が人間の倫理や民主主義の価値観とぶつかったら？

それはまさにこれからの大きな課題だと思います。AIに政策を任せるようになったとして、例えば地球の持続可能性を優先して「人間の数を減らすべき」なんて極端な判断をされたら、それを社会が受け入れられるのか？人間の倫理と感情がどこまでAIの判断を許容できるのか、事前に話し合っておかないと、取り返しがつかなくなるかもしれない。AIに合理性を任せる前に、人間がどこに線を引くのかを決めておくべきです。

Q10: AI時代における「弱者」って、どんな人たちのことだと思いますか？

AIが社会のあらゆる部分に入り込んでいく中で、そこにアクセスできない人たちが「新しい弱者」になると思います。たとえばAIリテラシーがない人、テクノロジーに置いていかれてしまう人たち。今までは身体的・経済的な弱者が中心だったかもしれないけど、これからは情報格差や技術格差による「見えにくい弱者」が生まれていく。だからこそ、AI時代でも基本的な生活保障をしっかり守って、誰も取り残さない社会が必要なんです。